妻のホスト通いが原因の離婚は可能か
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メールで相談するホスト通いが理由の借金による離婚の相談例
身に覚えのない請求が来たのは先週でした。額のあまりの多さに驚き、妻に話すと、なんとその金額を利用したのが自分であると正直に話したのです。
理由はホスト通いで、最初は自分の給料で賄えていたものの、貯金がなくなり借金をしたのだそうです。私は悪びれもない妻の姿に呆れ、腹をたてています。幸か不幸か自分たちに子供はおりません。そのため、自分たちの意思次第で離婚も可能な状態です。もう顔も見たくないので離婚したいと考えています。
妻は謝罪してきて、離婚したくないと訴えておりますが、今後一緒に生活をしていくことは難しいと感じています。そもそも私は妻の利用したホストクラブの費用など払うつもりは毛頭ありません。この場合、即離婚は可能なのでしょうか?
場合によっては即離婚の可能性も!
この場合、「即」離婚になることは難しいと考えられます。ただし、妻がホストと「不貞」関係にある場合には、「即」離婚が可能です。
法律上、離婚原因は決められていますが、ホスト通いや借金だけでは、直接的な離婚原因にはなりにくいです。
ただし、「不貞」がある場合には法律上の離婚理由となります。法律上の不貞というためには、単にホスト通いしているだけでは足りず、妻が実際にホストと肉体関係を持っているところまでが必要です。ホストのために高額なプレゼントをしたり食事をしたりキスをしたりメールを交わし合ったりしていても、それだけでは「不貞」にならず離婚理由にはならないので注意が必要です。
借金についても、それ単独では離婚理由になりません。
ただし、妻のホスト通いと借金問題が原因で、夫婦仲が冷え切ってしまい、双方にやりなおす意思がなくなった場合や、夫婦関係が修復不可能な状態にまで破綻してしまった場合には、「婚姻を継続し難い重大な事由」があるとして離婚理由が認められる可能性はあります(民法770条1項5号)。
どのような対応方法がありますか?
このケースで妻と離婚するためには、まずは妻がホスト通いをしていること、そしてできればホストと「不貞」をしていることについての証拠を集める必要があります。これについては、ホストクラブでもらったカードや名刺、領収証や興信所の報告書などが役立ちます。妻とホストが交わしているメールも証拠となります。妻が借金している証拠も集めておいた方が良いでしょう。
証拠がそろったら、妻に対して離婚と慰謝料を請求します。まずは妻と二人で話し合うことになりますが、妻が離婚に応じない場合には家庭裁判所で離婚調停をする必要があります。
それでも妻が離婚に応じない場合、離婚訴訟をする必要があります。訴訟では、法律上の離婚原因がないと離婚できないので、妻の不貞の証拠がないケースでは、離婚できない可能性がありますし、慰謝料も請求できません。不貞の証拠なしに離婚するためには夫婦関係が破綻している必要があるので、できるだけ早期に別居をするなどして、夫婦の実態をなくす努力をしておくことが必要になるでしょう。
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- 保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)