アルコール依存を理由に離婚できるのか
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メールで相談するアルコール依存による離婚の相談例
夫は、毎日仕事は真面目にしてくれています。しかし、仕事が人と会うものの為、ストレスもかなりのものらしく、毎日アルコールを飲んでいます。仕事から帰ってくるときは必ず泥酔状態。それが毎日です。どうやら仕事帰りに飲酒をしているようなのです。
暴れる、などは無いですが玄関で倒れるように寝てしまいます。体のためにもアルコールを控えるように言いましたが、気にする様子はありません。あげく、週末にどこかに出掛けているかと思ったら、競馬をしつつお酒を飲んでいるようです。もはやアルコール依存状態です。
飲酒をやめるよう言えば、どうしても言い合いになってしまうので、諦めているのが現状です。アルコール依存症は離婚理由になりますか?
アルコール依存は離婚理由になるのか?
本件では、夫のアルコール依存だけでは離婚理由が認められない可能性が高いです。
ただし、夫のアルコール依存が原因で夫婦仲が悪化して、これ以上婚姻関係を継続していくことが困難になるほど夫婦関係が破綻しているなら、離婚が認められる可能性があります。
民法上、離婚原因は以下のように定められています。具体的には、不貞と悪意の遺棄、3年以上の生死不明、回復しがたい精神病、その他婚姻を継続し難い重大な事由です(民法770条1項各号)。
そして、アルコール依存の場合には、「回復しがたい精神病」には該当しません。これは、躁うつ病や統合失調症、偏執病や若年性認知症などのより困難な精神病の場合に適用されるものだからです。それ以外の離婚原因にも直接は該当しないので、アルコール依存がある場合、5番目の「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するかどうかが問題となります。
ここで、その他婚姻を継続し難い重大な事由とは、最初の4つの離婚原因に匹敵するほど重大な事由である必要があります。そして、アルコール依存の場合には、回復する可能性もありますし、程度なども人によってさまざまで、日常生活も営めないということはないので、それだけでは「婚姻を継続し難い重大な事由」にはなりません。
ただ、夫のアルコール依存が酷く、仕事ができなくなって家にお金も入れず、毎日酒ばかり飲んで過ごすようになった場合には、悪意の遺棄が成立して離婚原因になる可能性があります。
また、そのようなことがなくても、夫のアルコール依存が原因で夫婦仲が悪化してお互いの気持ちが冷め切ってしまい、会話もなくなった状態が長期間継続していたり、愛想を尽かせた妻が実家に戻って別居状態が長期間継続していたりする場合には、すでに夫婦関係が破綻していると認められて離婚理由となることもあります。
どのような対応方法がありますか?
本件では、まずは相手との間で離婚の話合いをすべきです。
そもそも、アルコール依存があるというだけでは離婚理由にならない可能性が高いため、離婚訴訟を起こしても離婚が認められない可能性がありますし、日本ではいきなり裁判をすることはできず、まずは離婚調停を先にしなければならないと定められているからです。
そこでまずは、夫に対して、「アルコール依存が酷いので、これ以上一緒にやっていけない。離婚したい」と伝えましょう。夫がこれに納得して離婚に応じてくれたら、協議離婚によって離婚することができます。また、協議離婚の場合、相手が納得したら慰謝料を支払ってもらうこともできるので、相手のアルコール依存が原因で離婚になったのだから、と言って、慰謝料を請求すると良いでしょう。
ただ、慰謝料支払いが原因で離婚を拒絶されると、裁判を起こさないといけなくなり、最終的に離婚ができなくなってしまうおそれもあるので、この場合にはあまり慰謝料にこだわらず、早期に離婚してしまうのも1つの方法です。
夫が離婚に応じない場合には、離婚調停を申し立てる必要があります。調停では、調停委員に間に入ってもらって離婚と慰謝料の話合いをすることができ、調停で夫が離婚に応じてくれたら調停離婚ができます。これに対し、夫が離婚を受け入れない場合には調停では離婚ができないので、離婚訴訟を起こす必要があります。
この場合、夫がアルコール依存であるということだけでは離婚を認めてもらうことが難しいので、ある程度別居の実績などを作ってから離婚訴訟を起こす方が良いでしょう。
そして、夫がアルコール依存であることの証拠を集めておくことも必要です。たとえば夫がお酒を買ったレシートや夫が玄関で倒れている写真、夫が酩酊してわけのわからないことをわめいているときの録音や録画などをとっておきましょう。
これらによって、夫婦関係が破綻していると認められたら裁判によって離婚することができますが、残念ながら認定を受けられなかった場合には離婚はできません。その場合、さらに別居期間をおくなどして完全に夫婦関係が破綻したと言える状態になってから、あらためて離婚訴訟を起こす必要があります。なお、離婚するまでの間は、相手に婚姻費用(生活費)を請求することができますが、別居期間中に婚姻費用を払わせ続けることにより、相手に「離婚した方が良い」と思わせる効果があります。
生活を維持するためというだけではなく離婚を促進する効果もあるので、婚姻費用は是非とも請求しましょう。
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- 保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)