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和解離婚とは?成立までの流れやメリット・デメリット

弁護士法人ALG 福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治

監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates

離婚する際、当事者間での話し合い(協議)や離婚調停を行っても解決できなければ、最終的に離婚裁判を提起することになります。
離婚裁判に進んでも、必ずしも裁判所が離婚について判断する“判決“で離婚するわけではありません。
離婚裁判が進む中で、お互いの合意ができれば、裁判上の和解をして離婚が成立、すなわち「和解離婚」ができます。

そこで本記事では、“和解離婚とはどういうものか“、“和解離婚の流れ“、“和解離婚のメリットとデメリット“など「和解離婚」に着目し、詳しく解説していきます。

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この記事の目次

和解離婚とは

和解離婚とは、離婚裁判中に当事者双方が歩み寄り、裁判上の和解によって離婚する方法をいいます。
2004年4月1日に新しい人事訴訟法が施行されて、裁判上の和解による離婚が認められるようになりました。

離婚裁判で離婚について争っていても、必ずしも最後まで裁判を続けて判決の言渡しを受けなければいけないわけではありません。
判決が出るまでには、相当な時間がかかります。相当な時間がかかる分、離婚が成立していない間は、婚姻費用も発生します。
また判決では柔軟な解決が難しく、離婚後に様々な問題が残ってしまうことがあります。

一度裁判を起こしてしまうと、話し合いによる解決は不可能になるイメージをもつ方もいらっしゃいますが、実際はそのようなことはなく、離婚裁判中のどの段階においても、当事者が話し合いをして裁判上の和解(和解離婚)をして、離婚裁判を終了することができます。

協議離婚との違い

和解離婚と協議離婚の大きな違いは、「離婚裁判を起こしているかどうか」です。どちらも「話し合いで離婚について合意する」という意味では同じですが、裁判中かどうかで以下のように使い分けます。

・協議離婚
裁判外で当事者双方の話し合いで離婚を成立させる方法

・和解離婚
離婚裁判中、裁判所が判決を下す前に当事者双方の合意によって裁判上で離婚を成立させる方法

認諾離婚との違い

和解離婚と認諾離婚は2004年4月1日に新たに定められた、新しい離婚裁判での解決方法です。
和解離婚は、当事者双方の譲歩によって和解して離婚する方法です。

一方で、認諾離婚とは、離婚裁判中に被告(離婚裁判を起こされた側)が原告(離婚裁判を起こした側)の提示する条件などを全面的に受け入れて離婚を成立させる方法となります。

和解離婚と認諾離婚の大きく違う点は「双方歩み寄って離婚するか、全面的に受け入れて離婚するか」です。

認諾離婚についての詳しい内容は、下記の記事をご覧ください。

和解離婚の流れ

①和解に向けた話し合いをする、または裁判官から和解勧告される

離婚調停不成立後、離婚裁判を提起します。
家庭裁判所で訴状が受理されてから、1ヶ月~1ヶ月半を目安に、第1回口頭弁論期日が行われます。

第1回口頭弁論以降は、いつでも何度でも和解に向けた話し合いをして構いません。
口頭弁論では、原告、被告それぞれが書面や証拠などを提出します。それぞれの主張や立証などが整理されたタイミングで、裁判官より和解勧告がなされる場合があります。
和解の可能性が低いと思われる場合は、和解勧告が行われない場合もあります。

②裁判官が仲裁して夫婦間で話し合う

夫婦ともに和解勧告を受け入れたら、裁判官の仲裁のもと、和解に向けた話し合いを行います。話し合いの場所は公開の法廷ではなく、非公開の手続きで行われることが通常です。また、当事者の本音を聞き出すために、裁判官が夫側と妻側の和解の意思や和解の条件等を個別に聴き取り、話し合いを進めることが多くあります。

③和解成立後に和解調書を作成

裁判官を介した話し合いの結果、双方が合意して和解することができたら、和解離婚が成立し、話し合いで取り決めた内容を書面にした「和解調書」が裁判所により作成されます。

和解調書について

和解調書とは、離婚裁判において原告と被告の和解が成立した場合に、裁判所が作成する和解した内容を記した書面をいいます。
和解調書には、裁判の確定判決と同等の効力があります。

和解した内容に養育費や慰謝料、財産分与などの金銭に関する合意がなされている場合は、約束どおりに支払わなければ、強制執行の手続きを行って、約束どおりに支払わない相手の給与や預貯金などの財産を差し押さえることも可能です。

④離婚届の提出

和解離婚の成立によって、離婚は成立していますが、離婚届を提出しなければ戸籍に反映されません。したがって、和解成立後10日以内に、和解調書謄本を添えて離婚届を提出する必要があります。

離婚届の届出先は、本籍地か、夫または妻の所在地(住民登録地)の市区町村役所になります。
本籍地以外の役所に離婚届を提出する際は、戸籍謄本も必要となります。

和解調書は約2~3日で自宅に郵送され、遅くとも1週間ほどで手元に届きます。
1週間経っても届かないようなことがあれば、裁判所に相談するようにしてください。
和解調書が届くまでの期間も、“提出期限10日以内“に含まれますので、それほど余裕のあるスケジュールではありません。

もし、離婚届の提出期限を過ぎてしまった場合でも、すでに離婚は成立していますので、離婚届は受理されます。ただし、正当な理由なく提出期限を過ぎてしまった場合は、裁判所から5万円以下の過料を科せられる可能性があります。

離婚裁判で和解が成立しない場合は?

和解に向けて話し合ったものの、当事者間で合意に至らず、和解が成立しない場合には、裁判所による審理が行われ、判決が下されるのを待つことになります。つまり、離婚や離婚に関する条件については、裁判所が判断して決めるということです。

ただし、裁判所の判断に納得できないときは、判決書の送付を受けた日(の翌日)から2週間以内であれば、不服申立てをすることができます。

和解離婚のメリットとデメリット

メリット

和解離婚をしたときには、次のようなメリットが挙げられます。

早期に離婚裁判を終わらせて離婚できる

和解離婚の大きなメリットは、裁判期間が短縮できることです。
離婚裁判は、通常、裁判を提起してから判決が出るまで1年以上かかることも少なくありません。そのため、早期に和解離婚ができれば精神的、時間的、金銭的負担が軽減されます。

強制執行ができる

和解離婚が成立すると、裁判の確定判決と同じ効力をもつ「和解調書」が作成されます。
慰謝料、養育費、財産分与などの金銭の支払いを和解調書で定めておくと、不払いが生じたときに強制執行の手続きを行って、相手の給与や預貯金を差し押さえられます。

判決より柔軟な解決ができる

例えば慰謝料についてみると、判決では一括払いが原則であり、支払えなかったときは強制執行されるおそれがあります。これに対し、和解離婚であれば分割払いを定めることが可能です。このように、和解離婚では、判決の場合に比して柔軟な解決が可能です。

デメリット

希望する条件が通らない場合がある

お互い歩み寄って離婚を成立させるため、「養育費や慰謝料などが希望金額より低額になる」、「面会交流の回数が希望より少なくなる」など離婚条件を譲歩しなければいけない場合があります。

協議離婚よりは時間がかかる

和解離婚は離婚裁判を起こして、裁判の中で話を進めるので、いつでもどこでも話し合いができる協議離婚よりも時間や手間がかかります。

和解離婚に向けた話し合いにおいて取り決める内容

和解離婚の際は、離婚するかどうかだけではなく、次のような離婚条件も取り決めることができます。

  • 親権
  • 養育費
  • 財産分与
  • 慰謝料
  • 面会交流
  • 年金分割 など

子供がいる夫婦が離婚する際は、どちらが親権者になるかは離婚時に必ず取り決めなければいけません。

なお、離婚原因などによって取り決める内容は異なります。

裁判官から提示された和解案は変更できる?

裁判官から提示された和解案は、通常、それに応じるか否かしか選択肢がないわけではなく、変更を希望することができます。

ただ、和解離婚は双方が合意しなければ成立しませんので、全く譲歩しないという態度では臨めません。和解するか否か、どこまでどのように譲歩するか、和解せずに判決を求めるかといったことを、慎重に検討しなければなりません。

これらの判断は、法的な専門知識がなければ非常に困難であるため、弁護士に相談し、和解すべきかどうか、和解案が妥当なものであるかどうか、アドバイスを受けるべきです。

離婚裁判においてどのような場合に和解金が支払われる?

離婚裁判中に早く離婚したいと望む側が、もう一方の配偶者から離婚に応じてもらうための手段として、和解金を支払う方法があります。

和解金とは、裁判上の和解で離婚が成立できるように調整するための金銭です。
その趣旨は様々で、たとえば慰謝料という名目を避けるために使われたり、慰謝料や財産分与一切を含めた夫婦関係の清算金とされることもあります。

離婚裁判を提起してから判決の言渡し、さらに確定までは長期間を要します。
ある一定程度の和解金を支払うことで、離婚に同意してもらうように働きかけ、裁判上の和解で早期に離婚ができるように促すことができます。

弁護士の介入により離婚裁判において早期に和解が成立した事例

事案の概要

依頼者の妻は、夫の性格、価値観の不一致を理由に別居を開始し、複数回にわたり自分で離婚調停を申し立てましたが、夫が全く離婚に応じず不成立となっていました。
次は離婚裁判しか選択肢が無かったことから、離婚裁判の対応についてご依頼いただきました。

弁護士方針・弁護士対応

離婚理由は、性格、価値観の不一致が主で、別居期間も1年程度と、裁判上で離婚が認められる理由(法定離婚事由)や条件としてはかなり厳しいものでした。
そこで、多少和解金を支払ってでも、和解で早期離婚する方向性を考えました。
さらに訴状では、通常の事実の主張に加えて、感情的に訴えるような内容も記載したり、最初から依頼者の陳述書を提出するなどして工夫をしました。

結果

夫は代理人を立てずに、ある程度の和解金を支払うのであれば離婚の余地はある旨の答弁書を提出してきました。
よって、夫が提示してきた和解金を支払って、裁判上の和解で離婚を目指す方向で考えました。

事前に、裁判所にも和解が成立するかもしれない旨を伝えて根回しをして、初回期日を迎えました。
裁判官からの後押しもあり、和解金の支払いによって夫は離婚に応じ、初回期日で無事に和解離婚が成立しました。

和解離婚に関するQ&A

Q:

DVを受けていたため、和解条項のなかに接触を禁じる条項を加えました。違約条項も加えることは可能ですか?

A:

和解条項は、当事者間の合意によって決まるものであるため、基本的に、相手方が合意さえしてくれるのであれば、どのような条項であっても加えることは可能です。

例外として、公序良俗に反する条項、例えば「違反したら殴っても良い」といった、明らかに公の秩序に違反している条項は、加えることはできません。

もっとも、相手方が合意しないのであれば、当然、違約条項を加えることはできません。特に、違約条項は、相手方が一方的に義務を負う条項なので、相手方にとっては抵抗が大きいことが予想されます。その場合は、違約条項を加える代わりに、他の条件で少し譲歩する等、当事者双方が合意できるようにバランスをとる必要があります。

どの程度譲歩してバランスをとれば良いのかは、そのときの状況によって大きく変わってきますので、専門家である弁護士に相談することをお勧めします。

Q:

和解離婚で離婚が成立した場合、離婚日はいつになりますか?

A:

和解離婚では、裁判上で和解が成立した日が離婚日になります。

和解が成立した日は何もせずに帰宅し、後日、裁判所から和解調書謄本が届きます。
裁判所が作成した和解調書謄本を添えて、離婚届を市区町村役場に提出して離婚の手続きをする必要があります。

しかし、離婚届を提出した日が離婚日になるのではなく、和解調書に記載されている裁判上の和解成立日が離婚日となります。

Q:

和解離婚をした後に元配偶者の不貞行為が発覚した場合、離婚条件を無効とすることはできますか?

A:

和解離婚後に離婚条件を無効とする手続きをするのは可能です。

和解離婚をした後に、離婚を無効とする方法のひとつとして、家庭裁判所に訴訟が続いているとの前提で期日指定の申立てをし、和解の無効を主張する方法があります。

申立てがあれば、裁判所は手続きを再開して再び審理します。
再開したあとの審理では、まず和解が有効か無効かを判断します。
有効であれば、「和解によって裁判は終了している」と訴訟終了宣言をして終了します。

一方で、無効と判断した場合は、和解前の状態に戻り、改めて口頭弁論期日を指定し、離婚裁判を続けることができます。
ただし、実際には、和解は無効だと認定されるのは極めて難しいのが実情です。

和解離婚は弁護士と相談しながら進めるのが安心です

離婚について、なかなか折り合いがつかず離婚裁判になったとしても、途中で和解離婚というかたちで決着することもあります。
判決では難しい解決を希望する場合や、早期に離婚裁判を終了させたいと望む方は、和解離婚を検討するべきです。

ただし、和解離婚では、裁判所から提示される和解案の内容が不利な条件になっていないか判断がつかなかったり、そもそも和解勧告に応じてもいいのか悩む場合があります。

和解離婚をはじめ、離婚問題にお悩みや不安がある方は、ぜひ弁護士にご相談ください。
離婚問題に詳しい弁護士にアドバイスをもらって進めると、満足のいく離婚条件で和解離婚を成立させられる可能性が高まります。
まずはお気軽に弁護士法人ALGにお問合せください。

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監修:福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治 弁護士法人ALG&Associates
保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)

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