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離婚調停の期間は平均6ヶ月!短期間で終わらせる5つのポイント

弁護士法人ALG 福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治

監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates

離婚調停とは、家庭裁判所で夫婦が離婚に関する問題について話し合って解決を図る手続きをいいます。

離婚調停は、あらかじめ調停期日を決めて裁判所において主に調停委員を交えて話し合いをしますので申立て後、即日に離婚ができるわけではありません。
では、離婚調停は、離婚するまでにどのくらい期間がかかるのでしょうか。

そこで、本記事では、“離婚調停にかかる平均的な期間はどのくらいか”、“離婚調停が長期化するケース”、“離婚調停を短期間で終わらせるためのポイント“など「離婚調停にかかる期間」に焦点をあてて、詳しく解説していきます。

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離婚調停にかかる平均的な期間は?

最高裁判所が公表している令和5年度の司法統計によると、離婚調停を含む婚姻関係事件において、審理期間にかかった期間は次表のとおりの結果となっています。

審理の結果に関わらず、審理期間で最も多いのが「6ヶ月以内」となっており、約6割の事件が「6ヶ月以内~1年以内」で終了しています。
ただし、あくまでも目安であり、個別の事情によっては、1ヶ月以内に終了するケースもあれば、終了までに2年を超えるケースも存在します。

参考:第16表 婚姻関係事件数-終局区分別審理期間及び実施期日回数別―全家庭裁判所
審理期間 割合
1ヶ月以内 5.63%
3ヶ月以内 21.16%
6ヶ月以内 30.89%
1年以内 29.35%
2年以内 11.75%
2年を超える 1.22%

離婚調停の流れ

離婚調停は、主に次のような流れで進めていきます。

  1. ① 離婚調停の申立て
    離婚調停を申し立ててから、約1ヶ月~1ヶ月半後に第1回調停期日が開催されます。
  2. ② 第1回調停期日
    1回の調停にかかる時間は2時間程度です。
    調停当日は、通常相手とは別々の待合室で待機して、交互に調停室に呼ばれて裁判官や調停委員と話をします。一般的に、話す時間は1回あたり30分程度で、当事者それぞれ2回ずつ行うケースが多いです。
  3. ③ 第2回目以降の調停期日
    第1回調停期日で話がまとまらなければ、第2回目、第3回目と調停が繰り返し開催されます。
    調停の頻度は、約1ヶ月~1ヶ月半程度に1回のペースで開催されることが多いです。
  4. ④ 調停終了(成立・不成立・取下げ等)
    離婚調停の申立てから約半年程度で調停終了するケースが多いとされています。
.

離婚調停の流れについては、下記ページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

離婚調停が長期化するケース

離婚調停が長期化する原因には、次のようなケースが挙げられます。

  • 財産分与が争点となっている
  • 主張を裏付ける証拠の準備に時間がかかる

さらに具体的に長期化するケースについて、次項でご紹介します。
あらかじめ長期化するケースを理解しておくと、離婚調停を早期に終わらせる手がかりを掴めるかもしれません。

財産分与や慰謝料など争点が多い

離婚する方向でお互いに納得していても、財産分与や慰謝料などの離婚条件で争っており、こうした争点が多ければ多いほど、離婚調停は長期化しやすいです。

離婚条件は、お金に関する内容も多いため、争ってしまうことは珍しくありません。特に財産分与については、財産分与の対象や評価、具体的な分け方など様々な争いがあるうえ、資料収集などのために必然的に時間がかかりやすいといえます。

また、慰謝料を請求する場合についても、支払自体や金額を巡って協議が重なり、調停が長期化することがあります。

子供の親権や養育費で争っている

子供がいる場合、離婚する際に決める事項が多く、離婚調停が長期化する傾向にあります。
なかでも子供の親権は特に揉めやすく、対立するとなかなかお互いに譲らないことが多いので、協議を重ねる必要があったり、裁判所の調査が入ったりして調停が長期化しやすいです。

また、親権に争いはなかったとしても、養育費で揉めてしまうこともあります。特に、私立学校の学費や習い事などの特別の出費について対立していると、折り合いがつかずに調停が長引くことがあります。

子供に関する離婚条件は、親権や養育費のほか、面会交流もあります。面会交流をするとなれば、日時や頻度、待ち合わせ場所など、細かな内容も決める必要があるため、話し合いにはより時間を要するでしょう。

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離婚調停を短期間で終わらせるための5つのポイント

離婚調停を短期間で終わらせるためのポイントを次のとおりご紹介します。
実践してみると、離婚調停を短期間で終わらせられる可能性が高まります。

  • 調停委員に好印象を持ってもらう
  • 陳述書の内容に気をつける
  • 証拠を揃える
  • 離婚条件の優先順位を決めておく
  • 弁護士に相談・依頼する

それぞれ次項で詳しく解説していきます。

調停委員に好印象を持ってもらう

離婚調停を短期間で終わらせるためには、調停委員に与える印象を大切にしましょう。
離婚調停では、家庭裁判所の調停委員が調整役となり、調停を進めていきます。調停委員に好印象を持ってもらうことができれば、自身の主張に沿った案を相手方に提示し、説得してくれることもあります。そのため、話し合いがスムーズに進み、短期間で調停を終わらせられる可能性があるのです。

調停委員に好印象を持ってもらえるよう、資料等をもとに説得力のある主張を心がけましょう。また、丁寧な言葉を使う、感情的にならずに冷静に話すなど、調停での姿勢も重要です。

陳述書の内容に気を付ける

離婚調停を家庭裁判所に申し立てるときには、「申立書」のほか、自身の言い分をまとめた「陳述書」も提出することができます。離婚調停をスムーズに進められるよう、離婚を望む理由や離婚条件がわかりやすいように陳述書の内容にも気を付けてください。

また、感情的になって相手の悪口ばかり書くのは得策ではありません。たとえ相手に嫌悪感を抱いていたとしても、陳述書にその思いをぶつけるのは避けるべきです。なぜ離婚したいと思うに至ったのか、その経緯をわかりやすく記すなど、あくまでも客観的事実を書くようにしましょう。

「陳述書」について、詳しくは下記の記事をご覧ください。

証拠を揃える

離婚調停を早期に成立させるには、自身の主張を裏付ける証拠を揃えることが重要です。
証拠を提示されたら相手は言い逃れできなくなり、こちらの意見に同意してもらえる可能性があるからです。また、有効な証拠があることで調停委員の理解を得やすくなり、調停をスムーズに、そして自身に有利な内容で進められる可能性もあります。

有効になり得る証拠は、次のようなものが例として挙げられます。

【浮気や不倫の場合】

  • 浮気相手(不倫相手)とラブホテルに出入りしている場面の写真・動画
  • ラブホテルの領収書
  • 浮気相手(不倫相手)と肉体関係を持ったことがわかるような、メール・LINEのやりとり

【DVの場合】

  • DVを受けている場面の写真・動画
  • 怪我の写真
  • 医師の診断書

離婚条件の優先順位を決めておく

争う離婚条件が多いと離婚調停が長引いてしまう可能性が高いため、あらかじめ絶対に譲れない条件を決めておき、ほかの条件はある程度譲歩することで離婚調停がスムーズに進みます。

例えば、どうしても親権の獲得を最優先に考えている場合は、「親権を獲得できるなら面会交流については相手方の希望をできるだけ尊重する」などといった具合です。
そうすると、調停委員も解決案を提示しやすく、短期間で合意に至る可能性が高くなります。

弁護士に相談・依頼する

離婚問題に精通した弁護士に相談・依頼して、離婚調停に同席してもらうのも有効な手段です。

専門的な知識や経験をもつ弁護士であれば、離婚調停で主張すべき内容や必要な証拠、養育費や慰謝料などの相場、離婚条件の落としどころを熟知しています。
そのため、ご自身の希望や想いを弁護士が法的観点に基づいて整理して、裁判官や調停委員に伝わりやすいかたちで適切に主張・立証してもらえます。

また、弁護士が調停に同席すれば、「弁護士を雇ってまで離婚を成立させたいんだな」と調停委員に本気度を感じてもらえて、離婚に向けた進行に協力してくれる可能性があります。

離婚調停の期間に関するQ&A

Q:

離婚調停の期日に相手が来ない場合、調停が終了するまでの期間は長期化しますか?

A:

相手が裁判所の連絡を無視して調停を欠席し続けた場合、調停は不成立で終了するので、長期化することはないでしょう。
通常は、2~3回続けての無断欠席で調停不成立となることが多いですが、場合によっては初回で調停不成立となることもあります。

ただ、相手が裁判所に連絡をしたうえで欠席していて、次回は出席する旨を伝えている場合は、調停はそのまま維持されます。
この場合、相手が欠席した分、調停が終了するまでの期間は本来より伸びる可能性もあるでしょう。

Q:

離婚調停期間中の離婚成立前に他の人と恋愛してもいいですか?

A:

離婚調停中の離婚成立前に他の人との恋愛は控えたほうが無難です。
なぜなら、離婚調停中でも法律上夫婦であることは変わりありませんので、夫婦には貞操義務を負っており、離婚調停中に他の人と肉体関係を伴う恋愛をした場合は、不貞行為にあたって、慰謝料の支払義務を負うおそれがあります。また、有責配偶者として扱われて離婚請求が認められないおそれもあります。

もっとも、すでに婚姻関係が破綻しているとみなされる状態での交際は不貞行為にはなりません。
しかし、離婚調停中にほかの人と恋愛していることが発覚すると、「夫婦関係が円満だったときから恋愛していたんではないか」と相手から疑われて揉めてしまい、離婚調停が長期化する可能性があります。

また、調停委員の心証が悪くなり、離婚調停で不利な立場に置かれるおそれがあります。
よって、離婚調停中の恋愛はリスクを伴いますので控えるべきです。

Q:

離婚調停の期間が長くなると別居中の生活費(婚姻費用)の支払いも長引きますか?

Q:

調停成立後に作成される調停調書はどれくらいで自宅に届きますか?

Q:

調停不成立の場合、いつまでに裁判を起こさなければなりませんか?

離婚調停を最短かつ有利に進めるためにも弁護士へご相談ください

離婚調停は、ときに長期化してしまうケースもあります。「新たな人生を一刻も早くスタートさせたい」とお考えの方は、弁護士に依頼して離婚調停を進めていくことを検討してみてはいかがでしょうか。

弁護士は、離婚調停をスムーズに、そして有利に進めるためのポイントを熟知していますから、サポートしてもらうことで、離婚調停を最短かつ有利に進められる可能性があります。

離婚調停が長引けば長引くほど、ストレスは溜まる一方でしょう。
離婚調停を早く進めたいものの、ご不安やお困りごとがある場合は、まずは弁護士にご相談ください。早期に調停を成立させ、後悔なく新たなスタートを切れるように、弁護士はご相談者様にとってベストな解決方法を目指して尽力いたします。

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