スマホ離婚とは?原因や離婚を回避するための5つの対策を解説
監修福岡法律事務所 所長 弁護士 谷川 聖治弁護士法人ALG&Associates
スマートフォンの普及により、ゲームやアプリに熱中する「スマホ依存」が問題となっています。
また、それに伴い、コミュニケーション不足や過度な課金を原因とした「スマホ離婚」も増加しています。便利なスマホが離婚の原因になるのは非常にもったいないですし、対策すれば避けることも十分可能です。
そこで本記事では、スマホ離婚の原因や対策、慰謝料の支払い義務などについて詳しく解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
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最近増えている「スマホ離婚」とは?
スマホ離婚とは、スマホの利用が原因で、離婚に至ることをいいます。
多いのは、相手の「スマホ依存」を理由に離婚するケースです。「出先でもずっとスマホを見ている」「スマホに夢中で声が届かない」といった状況が続き、離婚を決意する人が増えています。
また、スマホに依存している人は依存を自覚していないことも多いため、いくら注意しても改善されず、不満が溜まってしまう方も多いようです。
スマホ依存に明確な基準はありませんが、1日2~3時間スマホを利用している人は依存の傾向があるとされています。他にも、常にスマホがないと不安、寝る直前までスマホが手放せないといった方も、スマホ依存が疑われます。
そもそもスマホを理由に離婚は成立する?
離婚方法のうち「協議離婚」や「調停離婚」については、夫婦の合意があれば離婚が成立します。そのため、スマホを理由に離婚することも可能です。
一方、裁判所が離婚の可否を決める「裁判離婚」の場合、スマホだけを理由に離婚するのは難しいといえます。
なぜなら、裁判所に離婚を認めてもらうには、以下の法定離婚事由が必要だからです。
- 不貞行為
- 悪意の遺棄
- 3年以上の生死不明
- 回復見込みがない強度の精神病
- その他婚姻を継続し難い重大な事由
単に「スマホばかり見ていた」というだけでは、上記の事由には該当しません。
ただし、会話が一切なく夫婦関係が破綻していた場合や、スマホアプリで浮気していた場合などは、離婚が認められる可能性があるでしょう。
スマホ離婚に繋がる原因とは?
スマホばかり触っていて会話がない
妻や夫がスマホばかりしていると、コミュニケーションの機会も減ってしまいます。例えば、話しかけても返事がない、声すら届かないといった状況では、会話もままならないでしょう。
また、休日もスマホに夢中で、子供の相手すらしてくれない人もいます。そんな状態が続けば、「一緒に暮らす意味がない」と離婚を考えるのも当然でしょう。
スマホゲームに課金しすぎている
スマホ依存症の原因で多いのが、スマホゲームです。厄介なのは、ゲームに没頭するだけでなく、多額の課金をしているケースです。
特に一方がゲームに無関心の場合、「何が楽しいのかわからない」「お金をかけるなんて無駄」と喧嘩になり、夫婦仲が悪化することも少なくありません。
また、課金額があまりにも多いと、家計を圧迫し、家族の生活にも支障をきたす可能性があります。「自分で稼いだお金だから」などと言い訳する人もいますが、金銭感覚の違いは離婚の大きなきっかけとなることを覚えておきましょう。
詳しくは以下のページをご覧ください。
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勝手にスマホを見られた
「浮気をしていないかチェックしたい」「本当に仕事なのか怪しい」といった理由から、相手のスマホを無断で見る人もいます。しかし、いくら夫婦でも自分のスマホを勝手に見られるのは不快ですし、行動をすべて把握されるのも気分が良いものではありません。
そんな縛られた窮屈な生活に耐え切れず、離婚を決意するケースも多くなっています。
また、夫婦間でも相手のスマホを勝手に見る行為は「プライバシーの侵害」にあたり、慰謝料などの損害賠償金が発生する可能性もあります。
スマホから相手の意外な一面を知ってしまった
浮気を疑ってスマホを見たところ、相手の意外な趣味や行動が発覚するケースもあります。
例えば、夫が女装やコスプレをしている大量の写真が出てきたり、SNS上でまったく違う人物として活動しているパターンです。
相手の新たな一面を知るきっかけにもなりますが、理解しがたい趣味だった場合、愛情が冷めてしまい離婚に至ることもあるようです。
浮気の疑いを持たれた
スマホを常に身に付けていると、相手に浮気を疑われやすくなります。
実際には浮気をしていないのに、連日スマホを見せるよう強要されたり、頻繁に連絡を求められたりすれば、常に監視されているようで気持ちが休まりません。
中には、帰宅時のスマホチェックが習慣化している夫婦もいます。そのようなケースでは、次第に「家に帰りたくない」と思うようになり、別居や離婚に踏み切ることもあるようです。
スマホで浮気が発覚した
近年は、スマホを通した浮気も増えています。
例えば、出会い系サイトやマッチングアプリなどに登録し、軽い気持ちで浮気を繰り返すケースです。
また、SNSに浮気相手とのツーショットを載せたり、交際を匂わせる内容を投稿したりして、浮気がバレることもあります。
その結果、離婚を切り出され、高額な慰謝料を請求されるケースも少なくありません。いくら手軽でも、軽率な行動は慎むべきでしょう。
また、近年はLINEやSNSのメッセージなどで浮気を行う「プラトニック不倫」も増えています。
プラトニック不倫については、以下のページで詳しく解説していますので併せてご覧ください。
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スマホが原因の離婚で慰謝料は発生する?
スマホ離婚でも、状況によっては慰謝料が発生する可能性があります。
本来、慰謝料はこちらの不法行為により精神的苦痛を負った相手方に支払うお金です。スマホ離婚のように、「スマホに夢中で話を聞いてくれない」「家事や育児に協力してくれない」といった理由では、単なる「性格の不一致」と判断され、慰謝料も発生しないのが基本です。
一方、スマホの利用がきっかけで“不貞”などの法定離婚事由が発生した場合やスマホ利用が婚姻を継続し難い重大な事由に該当すると認められた場合などには、裁判所が慰謝料の支払いを命じる可能性があります。具体的には、以下のようなケースです。
〈離婚事由〉 | 〈慰謝料の相場〉 | 〈行為の例〉 |
---|---|---|
不貞行為 | 100万円〜300万円 | 出会い系サイトやマッチングアプリで出会った相手と不倫する |
悪意の遺棄 | 50万円~100万円 | ・アプリに課金するため生活費を渡さない ・1日中スマホを見ており、家事や育児を一切しない ・スマホゲームをするため、働かず家に引きこもる |
浪費 | 50万円〜100万円 | アプリや動画視聴に多額の課金をし、家計を圧迫する |
DV・モラハラ | 50万円〜500万円 | 「スマホを見すぎ」と注意され、暴力を振るったり暴言を吐いたりする |
その他婚姻を継続し難い重大な事由 | 0円〜100万円 | スマホに夢中で会話が一切なく、夫婦関係が破綻している |
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メールで相談するスマホ離婚を回避するための5つの対策
スマホ離婚を防ぐには、日頃から以下のような行動を心がけるのがポイントです。
「いきなり離婚を切り出されてしまった」と焦ることがないよう、生活を見直しておきましょう。
- 家族と一緒にいるときはスマホを触らない
- 週に1日はスマホを触らない生活をしてみる
- スマホゲームやアプリへの課金をやめる
- 夫婦で会話する時間を作る
- 家族の予定を事前に伝えておく
それぞれ以下で詳しく解説します。
家族と一緒にいるときはスマホを触らない
妻や夫、子供と一緒にいるときは、なるべくスマホを遠ざけ、触らないよう心がけましょう。
また、積極的に家族に話しかけることで会話が弾み、「ついスマホを触ってしまう」という癖も抑えられる可能性があります。
もっとも、「スマホを見ていても会話できる」と考える方もいるかもしれません。
しかし、スマホに夢中だとそもそも相手の声が耳に入らず、知らないうちに無視していたということもあります。いつ話しかけられてもすぐに反応できるよう、スマホを見ない時間を増やしてみると良いでしょう。
週に1日はスマホを触らない生活をしてみる
家族と過ごす週末の1日だけでも、スマホに一切触らない「ノースマホデー」を作ると良いでしょう。
「今日はスマホを触らない」と決めることで、家族との会話や他の楽しみが見つかり、意外と簡単に“脱スマホ”を実現できるかもしれません。
また、家族で出かける日はスマホを置いていく、妻や夫にスマホを預けてしまうなど、物理的にスマホを手放すのも効果的です。
スマホゲームやアプリへの課金をやめる
ゲームやアプリへの課金をやめ、無料の範囲で楽しむのもおすすめです。
「少しならいいか」と始めた課金でも、繰り返せば相当な出費となります。また、課金によって使えるアイテムが増えたり、制限がなくなったりすると、プレー時間も長引く傾向があります。
「無料でプレーできる範囲しかやらない」「課金する際はお小遣いから出す」など夫婦で取り決めを行うと、徐々にゲームやアプリへの関心が薄れ、スマホを見る時間も減ってくると考えられます。
また、課金額に上限を設けるのも良いでしょう。
夫婦で会話する時間を作る
食事中や寝る前など、毎日夫婦で会話する時間を設けるのも効果的です。
スマホ依存の要因には、「ストレスによる現実逃避」「SNSでの承認欲求」なども挙げられます。そのため、夫婦で1日の出来事や悩み、軽い愚痴などを話すことで、気持ちが落ち着き、スマホから自然と離れられる可能性があります。
また、相手が仕事で忙しい場合や体調が悪い場合、「お疲れさま」「無理せず休んで」などと気遣うだけでも、相手の信頼を得ることができるでしょう。
家族の予定を事前に伝えておく
特に予定がない週末は、「深夜までゲームをして、次の日も1日中スマホを眺める」という不規則な生活になりがちです。そんな怠けた姿を見せれば、相手が離婚を考えるきっかけにもなり得ます。
そこで、数週間前から「この日は家族で出かけたい」「買い物に付き合ってほしい」などと予定を立てておくと、スマホ漬けの週末を回避しやすくなります。
また、家族と過ごすことでコミュニケーションが増え、心身ともに健康な生活も実現できます。
なお、「予定をすぐに忘れてしまう」という方は、すぐにカレンダーに書き出す、アプリの通知機能を使うなど工夫しましょう。
スマホ離婚で後悔しないためにも、離婚問題に強い弁護士にご相談ください
生活に欠かせないスマホですが、使い方によっては離婚の危機につながります。
スマホ離婚を回避したいのであれば、できるだけ家族とコミュニケーションをとったり、スマホを手放したりして、生活を見直すべきでしょう。
なお、すでに離婚問題に発展している方は、早めに弁護士に相談されることをおすすめします。弁護士であれば、相手と直接交渉したり、適切な離婚条件を判断できるため、話し合いがスムーズに進むと期待できます。
また、弁護士が交渉することで、離婚を回避できる可能性も高まるでしょう。
弁護士法人ALGは、離婚問題の知識と経験が豊富な弁護士が揃っています。「離婚を切り出されて困っている」「高額な慰謝料を請求されている」などお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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- 保有資格弁護士(福岡県弁護士会所属・登録番号:41560)