メンタル面を回復し、親権を取り戻した事例
夫が子を連れ去ったので、取り戻したい。
状況 | 離婚 |
---|---|
離婚の争点 | 監護者指定 子の引き渡し |
手続きの種類 | 裁判 審判 |
担当事務所 | 東京法律事務所 |
- 結果
- 【依頼前】
相手方が子を連れ去っている状態 - 【依頼後・終了時】
依頼者が親権者となり、離婚成立
- 【依頼前】
事案概要
依頼者は、メンタル面の不調を抱えて、通院もしていた。そのために精神的に不安定になることがあり、夫と子の前で自傷行為をするかのようなそぶりを見せてしまった。そのことがきっかけとなり、夫が子を連れて夫の実家に行ってしまった。
依頼者は、子の引渡しをしてほしいと願い、ALGに相談した。
また、夫は離婚調停を申し立てたが、依頼者は、必ずしも離婚したいとは思っていなかった。
弁護士方針・弁護士対応
監護者指定及び子の引渡し審判を申し立てた。
依頼者と夫は、共働きではあったが、依頼者が時短勤務をし、主として依頼者が保育園の送迎や家庭内での育児をしており、調査官調査においても、主たる監護者は依頼者であるとされた。ただ、調査官から、依頼者のメンタル面の問題を指摘されたため、それについてクリニックの医師に事情を確認したり、診療記録を開示したりして、依頼者のメンタル面は、別居後、回復しており育児に問題がないということを根拠づけた。ところが、調査官が診療記録を読み誤るなどし、依頼者にとって形勢不利な調査結果が出された。それが審判にも反映され、家裁においては、相手方が監護者として指定されてしまった。
そこで依頼者は即時抗告した。
なお、面会交流は、2週間に1回くらいの頻度で実施されていた。
結果
即時抗告申立て後、相手方は、依頼者に子を引き渡すこと、親権を依頼者に譲って離婚することを提案した。その理由ははっきりしないものの、面会交流時の依頼者の様子をみていると、メンタル面の不調は回復し、依頼者に子を任せてもよいと思えるようになったということのようである。
弁護士としては、裁判手続きについて依頼者をリードすることは弁護士の仕事として当然のことと思っているが、メンタル面の不調についてサポートすることも必要だと考え、依頼者に接してきた。本件においては、依頼者が自分を真摯に見つめなおすことを、日ごろの相談や意見交換を通じて弁護士がサポートできたことが、メンタル面の回復と、子の引渡し、親権取得という結果に結びついたと感じている。
裁判手続き中は、当事者が互いに意見をぶつけ合うという対立構造にあるため、他方当事者を非難するばかりとなることも多い。しかしながら、本件においては、意見をたたかわせながらも、当事者それぞれが子のためにどうしたらよいのかということを考え、互いに尊重する姿勢を失わなかった。今後、長年にわたり、子を巡って父母が一定の円満な関係を保って行くための基礎づくりもできたといえる。
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