相手方の保有財産が多額であり、企業法務的論点も絡む財産分与請求において、大幅な増額を実現した事例
離婚調停における財産分与請求
状況 | 離婚 離婚したい |
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離婚の原因 | 別居 |
離婚の争点 | 財産分与 |
手続きの種類 | 調停 交渉 |
担当事務所 | 東京法律事務所 |
事件概要
子供の学業に関する進路について腹を立てた相手方が、依頼者に対して暴言を発したことを契機として別居が開始されました。その後、依頼者は、相手方の代理人弁護士より、相手方の保有財産のうち、5%に相当する額を分与することで協議離婚するよう求められていました。
依頼者は、提示された金額ではなく、依頼者の貢献度が僅か5%とされたことに納得ができないとして、裁判で争うことも辞さない覚悟で、弊所にご相談に来られました。
弁護士方針・弁護士対応
相手方は会社役員であり、保有財産は相当高額ではありましたが、預貯金は保有財産のうちの4分の1程度の金額であるうえに、債務保証している関係上、引き出せる金額が限られていました。相手方が当初、協議離婚の条件として提示してきた「相手方保有財産の5%に相当する金額」が、これにあたります。
また、預貯金以外の財産は、株式にて保有していました。内訳は、相手方自身が経営する上場会社の株式に加えて、その株式を保有する相手方設立の非上場会社の株式(保有率100%)でした。
非上場会社の株式について、相手方は、会社に利益が出ていないこと等から株式に価値はないと主張してきました。これに対し当方は、節税や万一の離婚対策として非上場会社に株式を保有させる形態をとっているだけで、実質的には自社株を個人で保有しているのと同様であると反論しました。
結果
財産分与額は、相手方保有財産の14.5%に相当する金額(当初提示額から290%の増額)とする内容で妥結し、調停が成立しました。なお、支払い方法は、現金で用意できる当初提示額を一括で、残りを分割で受け取ることとなりました。
調停内では、株式を売却すれば経営権が危うくなることから、現金として用意できる額は当初の提示額が限度であるとする相手方と、5%の貢献度では適正な評価とはいえないとする依頼者との間で話し合いは難航し、調停は一度不調に終わりました。
もっとも、裁判に発展した場合、“財産分与は原則2分の1”とするルールが適用される可能性があることから、相手方の経営権は深刻な危機になることが予想できました。そのため、調停が不調となって間もなく、相手方弁護士が示談での解決を打診し、交渉を経て、改めて調停で争った結果、最終的には高額な財産分与を実現することができた事案でした。
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