過大な金銭請求と離婚の可否が争点の離婚訴訟において、相場の範囲内で金銭条件を調整し、和解で離婚を成立させた事例
離婚請求訴訟
状況 | 離婚 離婚したい |
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離婚の原因 | 性格の不一致 別居 |
離婚の争点 | 財産分与 養育費 |
手続きの種類 | 裁判 |
担当事務所 | 横浜法律事務所 |
事件概要
依頼者と相手方は、お互いの性格の不一致等から、次子の出産に伴って相手方が里帰り(海外での同居から日本に帰国)したことをきっかけに別居を開始し、離婚について協議を始めました。
しかし、離婚のための条件が折り合わず、調停を行ったものの不調に終わったため、依頼者は、離婚訴訟を提起して離婚することを希望していました。
弁護士方針・弁護士対応
相手方は「離婚に応じる」と意思表示しており、その証拠もあるため、訴訟では金銭面の条件が争点になると予想されること、早期解決のためには、相手方の要求に対する譲歩も必要であることを依頼者にご説明しました。
そのうえで、訴訟手続において粛々と婚姻関係の破綻を訴えていく方針で事件を進めました。
しかし、相手方は訴訟移行後に主張を翻し、離婚を拒否して争ってきました。そのため、本件離婚訴訟では、当初想定していた金銭面の条件(養育費や財産分与の額)に加え、当事者間に婚姻を継続し難い重大な事由があるかどうかが争点となりました。
結果
金銭面の条件については、養育費の決め方がやや特殊な解決になりました。具体的には、相談者が無収入になる等の事態は除いて、相手方が再婚した等の事情変更があっても養育費の減額をしない代わりに、相場よりも3万~5万円ほど低い金額で合意しました。
その他、財産分与は算定基準時の双方の財産を2分の1ずつとすること(ただし、依頼者の退職金については、算定基準時の9割のみ財産分与の対象と認定)、年金分割も0.5の割合とすることで合意するとともに、相手方の引っ越し費用は依頼者が負担することとなりました。
なお、依頼者が海外在住であるため、子供との面会交流については大枠のみ定めて、詳細は当事者で協議することとして合意しました。
本件では、依頼者が高収入であるため、相手方が金銭を引き出すために離婚を争っている様子がありましたが、婚姻関係破綻の証拠に基づき、事情ごとに主張することで、最終的には相場の範囲内の金銭給付で、離婚に持ち込んだ事案となりました。
また、相手方は最後まで離婚を拒否する態度でしたが、相手方自身も本心では離婚に応じる意向である点について丁寧に主張を積み上げ、判決となれば離婚という状況を作っていった結果、最終的には「訴訟上の和解」で離婚を成立させることができました。
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